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久美沙織「いつか海に行ったね」あらすじと感想ネタバレなし【ホラー小説】

作品情報

作者久美沙織
レビュー 5.0
発行日2001/11/10
総ページ数159
ふるかわ

静かに忍び寄る不気味な存在に人類が侵食されていく様子を描くパンデミック・ホラー。

(本ページはプロモーションが含まれています)

久美沙織「いつか海に行ったね」あらすじ【ホラー小説】

▼久美沙織のホラー小説「いつか海に行ったね」のあらすじ。

新潟県。記者は、ある湖の波打ち際を何百にもわたる渡り鳥の死骸が埋め尽くす光景を目の当たりにする。
群馬県。あるマンションでは短期間に次々と住人が息を引き取っていた。
東京法医学センター、都内の自室で死体で発見された老人の司法解剖を行う「鹿又綾子」は
死体の肺に丸いしこりを見つける。弟子の法医博士「武田真吾」が見守る中、しこりにメスを入れると…っ!?

【いつか海に行ったね】感想|ネタバレなし

▼久美沙織のホラー小説「いつか海に行ったね」の感想(ネタバレなし)。

舞台は日本。写真家、記者の家族、法医学者など少人数に焦点を絞って
感染に巻き込まれる様子が書かれています。群衆が混乱するような場面はないです。

本書では不審な渡り鳥の死骸を発見するのが「96年10月」
日本が伝染病の存在を認める「99年7月」までに3年ほどかかっています。

現実世界で、コロナに気づいた中国人眼科医が口止めをされたように
本書の登場人物の記者も圧力をかけられ、事態の深刻さはわかっていても情報を発信することができませんでした。
なお、他一般人については「いっぱい死んでるね。何か変じゃない?怖いね。」とご近所で囁き合う日々を過ごし、
無抵抗に感染しちゃうのを待つのみの状態。

そんな中、行動を起こしてくれるのが法医学者「鹿又綾子(老齢)」と弟子「武田真吾(20代後半?)」。
快活な鹿又と素直な武田のやり取りからはすでに信頼関係が築かれているいることを感じさせ読んでいて心地よく、
見解はコンパクトで分かりやすく、物語にスピード感が生まれる。

展開自体も面白いが、登場人物たちの会話がユニークで飽きさせない。

なお、本書は作家のご主人、大学教授、瀬名秀明さん(パラサイト・イヴ の作者)らの助言の元に書かれている。
面白いことがわかっているから言えることだが、もう少しページ数を増やしてほしいぐらい、興奮し楽しめた作品。


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著:久美 沙織
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