作品情報
作者 | 恒川光太郎 |
レビュー | 5.0 |
発行日 | 2013/02/23 |
総ページ数 | 285 |
ふるかわ
南国で生命力あふれる動植物に囲まれ
ハッピー気分も束の間
弱肉強食あり、一寸先は闇あり
手加減なしの7話の短編からなる
スリリングなファンタジーホラー。
(本ページはプロモーションが含まれています)
【南の子供が夜いくところ】7話収録
- 南の子供が夜行くところ…11歳の「タカシ」が、一家心中を図る両親から離され「ユナ」という女性に南国のトロンバス島に連れてこられた話。
- 紫焔樹の島…特別な樹とその樹を守る主がいる島。ユナの子供時代の話。
- 十字路のピンクの廟…島の少年「ロブ」が意地悪な魔人に翻弄される話。
- 雲の眠る海…圧倒的な戦力を誇るスペインに島を襲撃され、戦士「シシマデウ」は伝説の大海蛇の一族に助けを求めるべく海原へカヌーを漕ぎだした。
- 蛸漁師…仲は悪かったが男手ひとつで育てた息子が崖の下で死体で発見された。地元警察は事故死としたが不審な点が多い。父は息子の死の真相を探るため動き出す。
- まどろみのティユルさん…野原で首だけ出して動けない男。眠り、目覚め、半生を回顧しそして…
- 夜の果樹園…タカシの父が死と隣り合わせの中、命をかけてタカシに会いに行く話。
【南の子供が夜いくところ】感想|ネタバレなし
すごく楽しかった。
籠りがちの生活から一転、南国リゾートに乗り出し
明るい子供たちの笑い声や小麦色の肌のギャル、トロピカルフルーツに囲まれ
解放感に浸りました。
いたずらやおっさんとの会話がおっかしくて声を上げて笑ったり
でも、狂気や死の気配もすぐ近くに感じる緊張感もあり。存分に怖がれました。
うっとりするほど話が完成されています。
恒川さんはファンタジー要素を利用して
読者を煙に巻く形で話を終わらせたりしないんですよね。かっこいい!
作者の他作品
- 夜市 4.5 2005/10/30 174ページ 第12回日本ホラー小説大賞受賞
- 雷の季節の終わりに 5.0 2006/10/31 305ページ
- 秋の牢獄 5.0 2007/10/31 223ページ
- 草祭 5.0 2008/11/20 260ページ
- 金色の獣、彼方に向かう 5.0 2011/11/20 269ページ
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